御神酒國靈(くにたま)奉納プロジェクト

【艮ヶ崎の神へご報告(前編)】

東北滞在最終日、誕生日である5月26日早朝、朝日を迎えたのは、京の都からちょうど東北45度、まさに艮の方角にある、本州最東端の地、トド(艮)ヶ崎でした。

熊が出るおそれがある所であり、そして以前より警戒していた大きな地震がいよいよ5月25日、超深度から全國に響いたその翌日というタイミング。

姉吉の艮ヶ崎という、震災時最も高い津波が襲ったこの場所に来ることになりました…

本当に大自然に大きな大きな『おそれ』、正直なところ、恐怖を抱きながら入った、片道約1時間半の山路参道でした。

誕生日の朝を、これほどの恐れを抱いて迎えたことは今までありませんでした。

話す相手もいない、独り路。電波も届かないので、誕生日のメッセージも届きません。

途中、雉(キジ)らしき鳥に出逢いましたが、むしろ驚いたのは向こうの方のようで、飛ばずに走って逃げて行きました(笑)

ただ黙々と歩き続け、たどり着いた先にあったのは一面を包む雲でした。しかも風上からは雨雲らしき影。

でも雲間からちょうどお日様が顔を出してくださり、雲にも海にも松林にも、昨秋のお約束通り完成した國靈をお持ちし、ご報告をすることができました。

程なく雨が降り始め、雨の用意をしていなかったため、そそくさと来た路を帰っていったのでした。

今回の旅の本当の目的地は、あくまでその次の場所。

姉吉の漁港に停めていた車に乗り、急いでそこに向かいました。

なぜならそこには、遅れて行くことは出来なかった、許されなかったからです

ABOUT ME
代表おおくに
神話の故郷出雲大社から歩いてすぐの杵築の地、母の実家で生を享け、出雲大社を遊び場として育つ。   成人してからも神々を好きな思いが高じて各地の神社を数多く参るなか、縁をいただいて神籬磐座祭祀を司る古神道系特別上級神職資格を平成三十年に取得するに至る。   20年以上連れ添う妻と一人息子を大切にし、旅をこよなく愛する。 曲がったことを「どうなの?」と思う気性も含めてさすらいの英雄スサノヲノミコトの影響かな、たぶん笑。 生まれ故郷の出雲はもちろん、白山や伊勢等の魂の聖地に強く心魅かれる。 また、20代に現地で働いてもいた沖縄も大好きな第2第3の故郷。